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4号機時代の思い出 『幼馴染からノリ打ち仲間へ』 その10 ~愛の逃避行?後編~



物語を最初から読むのはこちらから





・・・僕の友人のS君が言うには

今回の僕らに課されたミッションは



・夜のうちに店長を最寄りの港まで運ぶ

・その際に使う車は店長が用意したものであり、最終的に車も処分する





・・・大まかに言うと、上記の2つだったのですが

当時の僕とS君はまだ未成年であり(17歳)必然的に

『普通自動車免許を所持していない』

という問題を抱えていました。




・・・しかし、2分ほどに渡る協議(?)の結果

港からの帰り道は車の運転に自信がある(?)S君が運転をして帰ることになりました。












・・・遅れましたが、ここでS君のスペックを紹介します。



【S君 基本スペック】


・顔面偏差値65以上のイケメン

・背が高い(182センチ)

・顔が小さい(並びたくない)

・時々関西弁になる(寒い)

・最終学歴は小卒(中学校は給食だけ頂きました)




・・・S君のスペックは大体こんな感じですね。


S君は僕らの生まれ育った”ゲットー”の中でも

最底辺に属する存在だったのです。


※ちなみに、多くのクズが高校受験をしてから中退する中、

S君は”高校の受験さえしない”という生粋のサラブレッドでもありました。






・・・そんなS君ですから、普通の若者が学校に通っている時間にも

非合法に車の運転の練習を積んでいましたので

17歳の時点で、ある程度の運転の基礎は身に付けており


店長の目的地である港から

僕らの地元までのスリルドライブくらいならお手の物だったという訳ですね。

※事実、僕らは月に数回ほどの頻度でドライブをしていました。






・・・そんな訳で、店長救済(?)ミッションに巻き込まれた僕でしたが

ミッション当日になっても詳しい事情は知らされていなかったんですよ。




よくよく考えれば

「俺って、必要ないんじゃね?」

と、思うのですが


きっとS君は一人でミッションを遂行するのが嫌だったんでしょうね。

そして、暇な僕に白羽の矢が立ったと言う訳です。






・・・そして、ミッションが始まります。


港までの往路は、当たり前のように店長が運転したのですが

その車内は”地元からの決別”という負けイベントを感じさせない

とても明るい車内でした。




・・・僕らは今までの思い出話に花を咲かせました。


そして、思い出話の中で

店長が僕にお金を借りた話になりました。




・・・その話がひと段落すると

店長が僕に

「あの時はありがとうな、この恩は絶対に返すから」

と言ってくれました。






・・・正直、僕としては

たしかにお金は貸しましたが、結果的にトラブルは解決しなかったので

多少なりとも自分に”役不足感”を感じていたんですよ。




・・・そんな訳で、店長さんは僕に向けて

改めて、しっかりとお礼を言ってくれたのですが

複雑な気分になってしまいました。



・・・お礼をされて嬉しかったのですが

「もう少し何か出来たんじゃないか?」

という気持ちになってしまったのです。






・・・そして、店長さんは後に約束通り

僕に恩を千倍にして返してくれるのですが

そのエピソードはまた今度紹介します。





・・・明るいムードが漂っていた車内でしたが

目的地が近づくにつれ、店長さんがシリアスな雰囲気になっていき

それにつられる形で僕とS君の口数も少なくなっていきました。






・・・そして、目的地に到着すると

ちょっとした茶番が待ち受けていました。




・・・当時の僕はいきなりの事で理解が追い付かなかったのですが


目的地には店長さんの当時の彼女が先に到着しており

僕とS君は彼らの別れる前の寸劇を見せられることになったのです。





・・・そして、当時の僕は店長さんに彼女が居る事をその時になってから知ったので

当然のように、相手の女性もその時に初めて見たんですよね。



・・・最初は何が起きているのかマジで分かりませんでした。




店長さんがしんみりした感じの口調で

別れを受け入れてくれない彼女さんを諭し


状況を何も理解できていない僕は


いらすとや 頭に?マーク


・・・しばらくこんな表情でしたし


S君は車でドラゴンアッシュの曲を聴いてノリノリになっていますしで

そこには物凄いシュールな光景が広がっていました。







・・・そして、しばらくすると店長が

僕らが居る車の方に近寄ってきます。



すると店長は

「もう良いぞ、ありがとうな」

と僕らに言って、港の方に姿を消していったのです。





・・・その時の僕は

「彼女さんも連れて行けばいいのにな」

とか思ったりもしたのですが

大人には色々と複雑な事情が有るんでしょうね。

※後に事情が発覚します、とても連れて行ける感じではなかったみたい





・・・とにかく僕らは

店長さんから与えられた最後のミッションである


『乗ってきた車を処分する』


というミッションを遂行する事にしました。







・・・帰りの道中は拍子抜けするくらい簡単に事が運びまして

僕らはあっという間に地元に到着しました。


その頃にはもう夜が明けていまして

辺りは完全に明るくなっていた事を今でも覚えています。






・・・当時の僕は

「車を処分するといっても、僕らは未成年だしどうするんだろう?」

という疑問を抱えていたのですが

その疑問はすぐにS君が解決してくれました。





・・・地元に着くと

S君は荒々しく車を路肩に突っ込み


「ここに捨てるわ。」


と言い残し、車から降りていきました

なんてワイルドなんでしょう。




・・・あの、S君?

その車って盗難車だったんですか?w



・・・僕は最後まで何も事情も知らずにミッションに参加していた

と言う訳ですね。







・・・そして、それからの僕らはというと


僕は以前と変わらず、パチスロ漬けの日々を過ごしていたのですが


S君は働いているお店の店長が居なくなってしまったので

必然的にお店を畳むことになってしまいました。




しかし、S君は持って生まれた顔面が素晴らしかったので

すぐに違うお店にヘッドハンティングされて行きましたね。






・・・そして、店長さんはというと

『遠く離れた東北の地で富豪になる』

という”ウルトラC”を決めてくれました、本当にありがとうございます。








・・・ちなみに、店長さんがいきなり居なくなってしまったので

当然のようにS君は

「おい、店長がどこに居るか知ってんだろ?」

と、色々な人に詰められていましたが

彼は最後まで口を割りませんでした。




S君は僕にも店長の話をしなかったので

仲が良かった僕でさえも

「もう連絡を取っていないんだろう」

と、勘違いをしていましたが



後に富豪になった店長の所へ僕とS君が招待された時に

まだ連絡を取っていることが発覚しましたので

S君は本当に”役者”なんだと思います。






・・・きっと、ミッション中に僕に詳しく事情を知らせなかったのも

必要以上に僕を巻き込ませないという

S君なりの”粋な配慮”だったのでしょう。




・・・そして、後に店長が僕らを

「新居に招きたい」

と言っていると

笑いながら僕に教えてくれたS君の顔はいつも以上にイケメンでした。



・・・彼らの絆は簡単に切れるものでは無かったようですね。





・・・そして、それからの僕は

ますますパチスロ漬けの日々を過ごしていくのでした。




続く





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